「鑑賞しない映像」という概念 ~スターバックスの窓~

こんにちは!オープランの木村 悠介です。

久しぶりのブログとなりましたが、この間に世界中の誰もが、
新型コロナウィルスの感染拡大という未曽有の脅威を経験しましたね。

政府による緊急事態宣言発令後しばらくして、
2020年4月末から僕が携わらせて頂いている現場も基本的に在宅勤務となり、
ワークスタイルが一気に変化しました。

往復で最低でも3時間かかっていた通勤時間が無くなり、
もちろん忙しい時期はありますが、基本的にはその時間分余暇が出来たので、

個人的には

〇3月頃から徐々に進めていたWordPressでの個人ブログの開設

〇以前から取得したいと考えていた資格の勉強

〇好きなアーティストの写真と楽曲を使用したミュージックビデオの編集

〇平日はあまり出来なかったゲームをプレイする
(主に「あつまれ どうぶつの森」、原作版「FINAL FANTASY VII」)

など、自主学習・趣味など様々な面で有意義に時間を過ごすことが出来ました。

もちろんしばらくの間、友人になかなか会えない寂しさはありましたが、
その分Nintendo Switchのスマブラでオンライン対戦したり、
「あつ森」で友人の島に遊びに行ったり、LINEで近況をやり取りしたりといった
何気ないコミュニケーションが普段以上に大切なものだと感じました。

さて、ここからがブログの本題となります。

普段から「今度ブログを書く機会があったらこのことを書こう」と、ネタは多くストックしてあるのですが

多くの人が外出自粛・在宅勤務といった日々を経験した今だからこそ、
このテーマがマッチするのではないかと思い、是非今回はこの話題を書いていきたいと思います。

テーマは「窓」。
人とあまり会わない、外にあまり出ない、といった日々を過ごしていく上で、
部屋にいても外の様子や空気を感じられる「窓」の重要性を、多くの人が感じたのではないのでしょうか。

といっても、今回取り上げたいのは部屋にある「窓」そのものではなく、「窓」を見事なまでに生かした
とある「映像」なのですが、僕がこの映像に出会ったのは2019年が始まってすぐの頃だと記憶しています。

 

YouTubeでふと見かけたその映像の名前は「スターバックスの窓」。

どうやらスターバックスコーヒーが公式でアップしている動画のようで、
サムネイルの右下には「LIVE」の記載があるものの、サムネイルを見る限り「コーヒーの淹れ方」のような
実写の映像ではなく、そこにあるのは大きな「窓」がある郊外型のスターバックスコーヒーの店舗を描いたイラスト。

◆スターバックスの窓 (Window to Starbucks) – beats to chill/relax/study to

https://youtu.be/kRPlIq67TKE

不思議な引力を感じ、僕は再生ボタンを押した。

動画を再生すると、店内にいる人はコーヒーを飲んでいたり、
本を読んだり、PCで作業をしたりと、様々な様子を見せていて、
スタッフがコーヒーを淹れている音や、時折「こんばんは!」と元気に挨拶をする声も聞こえてくる。

そしてBGMにはいわゆる「チルアウト」に分類されそうな心地よい音楽が流れ、
動画のタイトルにも使用されている、印象的な大きな「窓」からは、川の水面に街の灯りが反射する様子や、
船が通る様子を見ることが出来る。

しかし、動画を数分間眺めていても、何か特別な出来事が起こるわけではなく、
数分おきにBGMが変化したり、画面に映し出される店舗が変化したりしていくだけ。

しばらくして僕は「そうか」と気付いたのです。
この動画は、大きな「窓」があるスターバックスコーヒーの店内やそこにいる人の様子をふと眺めたり、
時折聞こえてくる、コーヒーを淹れる心地よい音やBGMに耳を傾けたりするものであり、

動画でありながら、「動画を凝視すること」に決して重きを置いたものではないと。

 

この動画を見つけた当時はまだ在宅勤務では無かったのですが、
自宅のPCにてプログラミングやIT知識についての自己学習をする機会が多かった僕にとって大きな発見でした。

IT業界に限らず、他の業種で働いていても、仕事や趣味の面でPC作業をする方は多くいらっしゃるはずです。

そんな時に、「歌詞がある楽曲だと作業の内容が頭に入りにくい。
かといって動画を流してしまうとそちらにばかり気を取られてしまう」という経験をした方も、
同時に多くいらっしゃるはずです。

そういった場面で、この動画は非常にマッチすると感じたのです。
仕事ではPCの画面上で資料やメールなどの多くの文字情報を見たり、
仕事後もWebサイトやSNSなどでまた多くの文字情報を見たりと、
とにかく日常的に大量の文字情報や画面を「凝視」する機会の多い現代社会において、

ついに「鑑賞しない映像」が出現するようになったのは、ごく自然なことなのかもしれません。

最近では「癒し」を主な目的とした、「野菜を切る音」や「焚火の音」を高音質で録音したASMRなども流行し、
在宅勤務の広がりにより、この記事で紹介させて頂いた「スターバックスの窓」のような、
「鑑賞する事に重きを置いていない映像」も一気に増えていると感じています。

この動画でイラストとなって描かれている店舗は、
日本国内に実在する3つの店舗(富山環水公園店, 京都宇治平等院表参道店, 神戸メリケンパーク店)との事で、
そこにある大きな「窓」から見える広い川や、自然豊かな森を見ていると、
また安心できる状態でこういった場所に行きたい、スターバックスに行って、
美味しいコーヒーを飲みたいと思わせてくれるのも、この動画の大きな効果なのかもしれません。

「スターバックスの窓」の公式ウェブサイトも存在するので、ご興味を持たれた方は是非こちらをご覧ください。
この動画についてのより詳細な紹介が記載されています。

◆スターバックスの窓 公式ウェブサイト

https://starbucks-no-mado.com/desktop/