低温調理器具を購入して楽しみな件

一人暮らしのOTです。
料理も好きなため、自炊とかちゃんとやっています。 
と、料理できる系男子をアピールしたいところですが、帰宅してからの料理は正直面倒くさいです。
そんなわけで、「手間をかけず、帰宅直後に食べられて、おいしいものが欲しいなー」とか思うわけです。
このような気持ちはだれだって持っていてもおかしくはないと思いますが、
そんな都合のいい調理法があるのでしょうか?

 実は、あるんです!    そう! 低温調理です!

と大げさに書いてはいますが、知っている人も多い調理法だと思います。
知らない方もいると思いますので、まずは簡単に説明だけしますね。

[ 低温調理とは ]
 一定の温度のお湯の中で全方向から長時間かけて食材に火を通すことで
安全でジューシーなおいしさにする調理法です。 
一定の温度? 長時間? ということに疑問を持つ方もいると思うので、
加熱をする際の温度と時間の関係についてお伝えしたいと思います。

[ 加熱における温度と時間 ]
 調理をする際に加熱をするのはなぜでしょうか?
理由は大きく分けて2つあり、
・ 食品を安全に食べるための殺菌
・ 食品をおいしくするための化学反応や分解

そして加熱における温度と時間の関係は

温度 × 時間 = 加熱   です (詳細な式の関係は省いています)

殺菌は料理をしている方なら感覚的にわかるかと思いますが、肉の中まで火を通すなどの理由に当たります。
食品科学者は菌が繁殖しやすい温度帯を「危険ゾーン」として4.4℃~60.0℃と定義しています。

おいしくするための化学反応はメイラード反応が代表的です。
メイラード反応とは、タンパク質と糖が多く、100℃以上の高温で154℃付近の加熱から顕著に起こる反応です。
詳しい説明までは省きますが、いわゆる肉を焼いたときの香ばしい風味や、
クッキーなどのあの食感はメイラード反応によって生まれています。

分解とはタンパク質や食物繊維などの組織の分解のことです。
まあこのあたりの理解は難しいところがあると思うので、
簡単に言えば、柔らかくなっておいしく食べられるよね! っという認識で良いと思います。

ここである問題が発生します。
タンパク質の繊維組織が固くなり始め、水分が抜けてパサパサになるのが60℃からのため
低温調理では食肉を60.0℃未満で加熱することもあります。

しかし、危険ゾーンは60.0℃を切っていますね。

では、どうしたらいいのかという問題を解決してくれるのが、長時間の加熱です。

55℃に1時間以上の加熱をすることでほとんどの菌が死滅するからです。

[ 低温調理の弱み ]
・長時間の加熱
 1時間も加熱するのは長く感じるかと思いますが、実際には中心温度が加熱され始める時間なども含まれるため、もっと時間がかかったりはします。

・メイラード反応が出せない
 どうしても低温調理ではメイラード反応を出すことができず、味の幅は狭まるかと思います。

・食中毒の危険
 これが一番低温調理をする上でネックになる部分ではありますが、
殺菌をすることができる温度の少し上を狙うようになるので十分な注意は必要になります。

では、低温調理は家庭でやるべきではないのでしょうか?

僕の答えは、 「家庭だからこそやるべき」 です。

[ 低温調理のここがすごい ]
・放置できる
 長時間の加熱が弱みとしてありましたが、基本的には放置です。
(見なければいけないのはあくまで湯の中に完全に食材が浸っているのかということです。)

ご飯の時間を見計らって加熱し始めれば、帰宅直後に食べることができます。
さらに、低温調理は時間を超えてもおいしさはそのままなのでご飯の時間が遅くなることには問題はありません。

実際の調理時間は数分で済んだりします。

リアル3分クッキングだって夢じゃないでしょう!

・誰でも始められる
 道具と低温調理のための情報がそろっていれば、料理初心者でも可能でしょう。
   食中毒の危険性を低温調理の弱みとしてもあげましたが、
 高温調理となれば、生焼けだったり、加熱前の食材に触れることが多かったりすることで  
 料理に慣れていない人には低温調理よりも危険であったりもするので、
 工程が基本的に少なく、情報が正確にわかる低温調理の方が
 初心者向きの料理かもしれませんね。

・健康に良い
 メイラード反応が出ないことを弱みとしていましたが、出ないからこその強みもあります。
(低温調理をする人の中にはこれを理由にしている方もいます)

  

   発がん性物質の発生を抑えることができる

   AGEs(老化につながる物質)の発生を抑えることができる

 また、水溶性のビタミンを逃さないことからも野菜などの栄養をしっかりと得ることもできます。

おいしさに関しては実際に食べてからお伝えしたいと思います。

低温調理もプログラミングと同じで、正しくやれば正しい結果を返してくれます。

正しい情報が必要ということもあるので、低温調理に関しての本や、
BONIQが掲載している低温調理の時間と温度の指標などを参考にすると安全に行うことができると思います。

次は実際に使ってみた感想をお伝えしようと思います。