星の雑学3

こんにちは。今回は金星と冥王星に関する話を紹介します。

①硫酸の雨が降る惑星

地球のすぐ内側を回っている金星は、太陽系の創生期に、
地球と似た姿で誕生した惑星であると考えられています。
その直径は地球の0.95倍、重さは地球の0.82倍であり、
星の内部構造も地球とほぼ同じであると推測されているので、
金星は地球の「双子星」「姉妹星」と言われています。


しかし、金星の環境はとても過酷です。

金星は厚い大気に覆われており、そのほとんどが二酸化炭素から構成されています。
その結果、非常に強い温室効果がはたらくため、金星の表面の温度は昼も夜も460℃と、
金星の温度は太陽に近い水星よりも高いです。さらに、
大気中には硫酸の粒からできた雲が数キロメートルもの厚さで広がっているので、
太陽の光が直接金星に届くことはありません。加えてその雲からは、
硫酸の雨が降ってきますが、金星の地表があまりにも高温なため、
地表に届く前に蒸発してしまいます。

金星の探査は、旧ソビエト連邦によって1961年に打ち上げられたベネラ1号から始まりました。
翌年にはアメリカがマリナー2号を打ち上げるなど、その後も金星に多くの探査機が投入され、

さまざまな調査が行なわれています。

日本からも、2010年に金星探査機「あかつき」が打ち上げられました。
しかし、エンジンの故障が原因で、一度目は金星の軌道投入に失敗してしまいました。
ですが、5年も太陽を周回し、再び金星に接近することができた2015年12月に、
姿勢制御用エンジンを噴射することで、ついに軌道投入に成功出来ました。
「あかつき」は、現在も金星の重力圏を周回しながら観測を行なっていますが、2017年8月には、
これまで知られていなかった金星のジェット気流を発見し、大きな話題となりました。

②冥王星が惑星とは言えない理由
太陽系を構成する惑星はいくつあるでしょうか。
昔は「水星・金星・地球・火星・木星・土星・天王星・海王星・冥王星」と
答えるのが正解でした。

しかし現在では、「水星・金星・地球・火星・木星・土星・天王星・海王星」
という答えが正解となっています。答えを比べてみると、冥王星が除外されていますが、
太陽系から消滅してしまったわけではありません。今も昔と同じ場所に、
冥王星の姿を見ることができます。



では、なぜ冥王星が太陽系を構成する惑星から除外されたのでしょうか。
その理由は冥王星は惑星ではなく準惑星であると「格下げ」されたからなのです。

そもそも、「惑星」とは何でしょうか。実は、最近まで惑星についての
明確な定義は存在しておらず、「太陽のまわりを回る大きな天体」という
大まかな条件しか提示されていなかったのです。

ところが2005年に、冥王星よりも大きな新天体である「エリス」が、
冥王星の軌道付近で発見されたことから、惑星の定義に関する議論が勃発しました。
2006年になってIAU(国際天文学連合)が、太陽系の惑星の定義を決めると同時に、
準惑星という新しい分類を発表しました。

このとき決定した定義によると、惑星とは「太陽のまわりを回る天体であること」、
「自己重力によってほぼ球形になっていること」、
「軌道の近くに衛星以外の天体を排除していること」という三つの条件を
満たしている天体を表し、一方で、準惑星の定義は、
「惑星の定義にある最初の二つしか満たすことができず、衛星でもない天体であること」
となりました。

その結果、冥王星は惑星の定義を満たすことができず、
準惑星に格下げされてしまったのです。

いかがだったでしょうか。今回で惑星に関する紹介は終わりとなります。
太陽系以外の星や宇宙にも面白い雑学はたくさんあるので、ぜひ調べてみてください。