円周率

こんにちは。

今回は円周率の求め方や、円周率の定義などについて紹介していきます。

皆さんはそもそも円周率の定義を説明できますか?

円周率とは、「円の直径と円周の長さの比」のことを指し、値は約3.14です。

直径が1mの車輪の長さは、円周率を用いると、1×π=π(約3.14)と求めることができます。

円周率の正確な値は3.14159265・・・と、循環しない無限小数であり、「無理数」であることがわかっています。円周率が無理数である事は、背理法を使うことで証明することができます。円周率に限らず、ある特定の数が無理数である事を示す方法は基本的には背理法が用いられています。

では、円周率の値である3.14は一体どうやって求められたのでしょうか?

円に内接する正6角形を考えてみましょう。

簡単な計算により、円の直径×3と円に内接する正6角形の周の長さは等しくなるのです。

この事実が円周率を約3と教えると、数学的に見て良いと言えない理由です。

大雑把な計算(計算結果の桁数がどれくらいになるのかなど)であれば、円周率を3と定義しても良いと思いますが、正確な計算をすることはできないと理解する必要があるということです。

次に、円に内接する正12角形の周の長さを計算してみると、おおよそ、円の直径×3.1058という計算結果となります。
この「円周率に相当するような定数」は、円に内接する正24角形の場合は約3.1326、正48角形の場合は約3.1393です。

正96角形まで考えて計算すると、3.14が出てきます。
ここからさらに内接する図形の角をもっと増やしていくと、その値は正確な「円周率」の値に限りなく近づいていくのです。

余談ですが、円周率が宇宙探査に大きな影響を及ぼしていることはご存知ですか?

2010年の6月に帰還した小惑星探査機「はやぶさ」の軌道の計算に、円周率が用いられたのです。

当時のはやぶさプロジェクトのメンバーの1人である、的川名誉教授は、円周率は宇宙を考えるときになくてはならないものと述べています。

実際にはやぶさが小惑星イトカワに到着する確率は、地球から3億km離れた300mの標的を命中させることとなるので、日本から南米に飛んでいるハエを撃ち落とす確率と同じくらいの確率となってしまうのです。

このことからこのはやぶさの出来事がとんでもない歴史的偉業であることが分かりますよね。

この歴史的偉業を成し遂げるにははやぶさの軌道の計算を正確に、かつ超高精度で求める必要があります。

その計算に円周率を用いるのですが、この時計算に使用した円周率の桁数は15桁です。

もし円周率を3.14という数字で軌道計算を行うと、15万kmもズレが生じてしまうのです。

小惑星イトカワに到着することはもちろんできませんし、地球に帰還することもできません。

円周率は人類の宇宙技術発展のために欠かせない数字だと言えるのです。

いかがでしたか?今回は円周率の定義や計算方法、実用例について紹介しました。